2022/08/13

 好きになるものを選ぶことは難しい。好きになるのって直感じゃん、という人のことを全く信じられない。こういう私の考えは今の時代っぽくないと思う。

 私は好きなものや人が本当に私の構成要素となると感じていた時もあったから、その名残で何を好きでいて何を嫌いでいるか、その理由を考えずにはいられない。何を見せるべきで何を見せないべきかっていうのと同じかもしれない。

 好きなものを好きと言えるかどうかが、属性や立場によって決められていることは気持ち悪いけど、じゃあ私が所属する場所や人種や国籍や見た目、知能、その他もろもろ、それは私の可能性を阻む格子とも言える、けどその鉄格子が全部外されたら私は私でなくなる気しかしない。私はあくまでこの場所でだけ今の私になれるんであって、ここじゃないどこかではまた違う私になるとしか思えない。有吉も、日本じゃなくて例えばアフリカのどこか?で突然芸人やれと言われても面白くできないと言っていたし、そういうのと同じだと思う。私に核なんてなくて、どこまで掘っても柔らかいゼリーみたいな、そういうのが私だと思う。これって過度に自分を客観視しているだけなのだろうか。

 0から自分を自分で形作ることはできないと思う。今こうありたい私を阻害/許容する属性、みたいなものに対してどう反応するか、が結局私の素になっていて、本当になんの他者の視線もないままに今の私が出来上がるはずない。だから理由なく好きになるものなんてほとんどないのだと感じる。

 だからこそ、好きなものを本心からなんのためらいもなく好きと言える人が本気で羨ましい。そういう感情を得ることが1番楽しそうに見える。

 

 実際は私自身は0ではなく、自分で思ったよりたくさんの自我があるんだろうな。何か意見を持つとき、大抵は真ん中が正しいことが多そうだ。中庸ってよく言ったもんだ。

 

 あいつ塾ではすげー元気なのに学校だとずっと寝たふりしてんだぜ、みたいなやつ、私はそのタイプだったし1つの場所で自分がいていいと思えても他の3つくらいの場所では居場所がなくなるタイプだった。その3つでは1人でずっと黙ってる自分のことを知られたくなかった。今は私がいる場所を私自身で選べるから、やっぱり大人は得だ。得だし楽だ。高校生が主人公の漫画を読んで、また戻りたいなあと思うけど、ノスタルジーなんだろうなと思う。

 

 ウテナをだいぶ前に見終わった。最終回、心の底から感動した!本当に良いアニメだった!ウテナもアンシーもかっこよかった!

 王子様お姫様幻想をぶち壊したのが本当にかっこよかった。ウテナはアンシーを救えなかったし、学園ではあっという間に忘れられていくけど、アンシーの中に残ったウテナは世界を革命していて、かっこよかった。どうにもならない夢を抱いてそのまま死んだように生きる王子様の残骸を背にして去っていくアンシーもかっこよかった。全てを救うなんてそんなことができる、かっこよくて完璧な王子様はいない、でも自分を救ってくれようとする友達はいる、ということが救いになるなと思う。現実を変えるのは自分自身しかいないということ、それでも助けてあげたいと思ってくれる他人がいること、それを言えるのはかっこいいと思う。いつか一緒に輝いて、というタイトルが本当に好きだ。いつか一緒に輝いて...

 

  大学の教授が、学生運動を盛んにやっていたことを自慢げに言う人で、それが本当に苦手だったんだけど、あと先生が笑いながら自慢してた時にゼミ同期が普通に笑っていたのも信じられなかったんだけど、笑えなかった理由は、革命という言葉に対して憧れといっしょにアレルギーも持っていたからだと思う。未だにこの世の中に必要なのは革命だよみたいなことを言っていて、あなたの言ってることは一度敗れた夢物語なんではないですか?反省もせずにいろんなことを批判してるんですか?よりにもよって哲学を盾にしているんですか?新しいやり方を試そうみたいな気持ちはもうないんですか?学者のくせに?みたいな気持ちになりますます先生が嫌いになった。それに、その先生は今の若者には怒りが足りないみたいなことをある時言っていて、そういう若者を作ったのはお前たちじゃないのかとも思った。そういう流れがあって、幾原監督が次に作った作品がピングドラムで、監督の作品を好きになって、本当によかった!と心の底から思う。いろんな人の感想を見て聞いて腑に落ちた。

 大学で好きになれた先生は1人だけで、その分好きな先生が多かった高校時代との落差が大きかったな。その人は今何をしてるんだろう。体を悪くされていたから、健康に過ごしていて欲しいなと思う。

 さらざんまいがU-NEXTで見れなくなっていた。どこかで見なきゃいけない。